#ウェディングの基礎知識

今レストランウエディングが新鮮な理由

現役ブライダル企業 部長 CHIKARA

現役ブライダル企業 部長 CHIKARA

今レストランウエディングが新鮮な理由

レストランウエディングって良く耳にするけれど、実際にはどんなものなのか、どんなメリットとデメリットがあるのか、
などについて現役ブライダル企業の社員が説明をします。

一度は大流行しレストランウエディングだが・・・

ゼクシィトレンド調査2018によると、披露宴会場を決定する際の重視点では、「交通の便」と「会場の雰囲気」を抑えて「料理」が1位となっています。
それだけ大切な料理に力を入れているのがレストランなのですが、 レストランウエディングを選ぶ人は婚礼全体から言うと約1割です。
全国的に見ると、東京、大阪、東海など都会ではレストランウエディングの割合が高く、地方に行くとその逆です。
恐らく需要の多い都会の方が、良いレストランが多いと言うことでしょう。

レストランウェディングの歴史はかなり古く、ウエディング全盛の1980年代から存在していました。
婚礼組数が多いのにまだホテルの数が少なく、ハウスウエディング(ゲストハウスの初期の呼び名)は登場していませんでした。
レストランウエディングがある程度以上伸びなかった理由は、控え室などの設備が完備していなかったことにあります。
結局90年代にホテルラッシュがやって来ると、チャペルや控え室を持つホテルに座を奪われてしまいました。

ここ数年、レストランウエディングが復活してきた理由

今レストランウエディングが新鮮な理由

ところがここ数年、レストランウエディングが見直されて来ました。

今回見直されている理由を説明しましょう。

1.ホテルウエディングが飽きられた。

 ウエディングバブル期にホテルはこぞって婚礼に参入し、当時はホテルであるという理由だけで婚礼を獲得出来た。
 実は二流、三流ホテルになると食事もサービスもレベルが低かったので、ホテルというものが珍しくなくなった時
 食事の美味しいレストランの方がオシャレだと言う認識が出てきたこと。

2.元はゲストハウスが発掘した「貸切」という価値観が、レストランウエディングで実現できる。
 
 時代を牽引したゲストハウスも、結局入り口は安いが最終的にはホテルより客単価が高いという現実が世に広まった。
 ホテルと同じく、乱立したゲストハウスの中には、レベルの低いものも多く、ある意味飽きられた。

3.平均総額350万円というホテルやゲストハウスウェディングに比べ、リーズナブルに開催できること。

4.飲食業界のカリスマシェフがプロデュースするなど、話題性、高級感のあるレストランが増えた。

 オテルドミクニ、ひらまつなどはホテルを凌ぐ設備を誇る優雅なハードを持っている。

今レストランウエディングが新鮮な理由

レストランウエディングの弱み

反面、レストランウエディングには今も弱みがあります。

それは
・隣接する式場がないこと

・やはり控え室や更衣室がある店は少ないこと

・大箱が少なく、日本の平均招待者数70人が着席できるレストランが少ない
などです。

またホテルやゲストハウスの様にウエディングプランナーが専属あるいは常駐していないため、ウエディングのノウハウは十分とは言えません。
フリーのウエディングプランナーなどと提携が必要です。
ゼクシィの高額料金を払えるレストランは希少なので、広報活動も行き届かず、さほど組数が獲得出来ません。


今レストランウエディングが新鮮な理由

そんな弱みもありながら、実はレストランウエディングにはまだまだ潜在的な可能性があると、私は思っています。
大箱が少ないと言いますが、披露宴招待者人数は年々減少しており、レストランも需要に合うことが多いです。
それに、フリーのウエディングプランナーが以前に比べると増えて来ました。
キャンドルサービスやシャンパンタワーのような派手派手しい演出を並べていた旧来型のウエディングではなく
ただ親しい友人が集まって2人を祝福し、食事を楽しむというシンプルなスタイルであれば、四角い箱のホテル宴会場より、街中のレストランの方がむしろフィットします。

店側にとっても、ドタキャンのない婚礼で週末が満席になるのはとてもありがたいことです。
が、そもそもレストランの目的は食事を楽しんでいただくことであって、結婚式をすることではないので、年間何百本も請け負う必要がないのです。

日本の婚礼マーケットも成熟期を超えて、良い意味のユルさが加わりました。
誰もが背伸びをして絵に描いた理想を追うのではなく、等身大の婚礼を良しとし、
ウエディングパーティに格調や緊張感より温かみのあるリラックス感が重視される様になったのです。

そんな自然体のウエディングがずっと続いて行けるような国であってほしいと思うのは私だけでしょうか。

知っ得ポイント
レストランウエディングは1990年頃一度人気が出たが、主にハードの問題でホテルに負けてしまった。
その勝者であるホテルや、後から出て来たゲストハウスにもぞれぞれの弱みがあり、最近になってレストランウエディングが見直されている。
ウェディングの形も十人十色。 大切なのは、いままでの慣習や周囲との違いを恐れず「自分自身にあったウェディングのスタイル」を探すこと。
結婚式というのは、新郎新婦やその家族や友人が一同に集い、新郎新婦の新しいスタートを祝福する為の機会です。その本質を満たせるようなウェディングスタイルを見つけ出せれば幸せですよね。
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