#ウェディングの基礎知識

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

元ウェディングマネージャー TAKUYA

元ウェディングマネージャー TAKUYA

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

ホテルの中で婚礼部ってどんなところなんだろう?という疑問にお答えします。

婚礼部の構造ってどうなってる?

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

ホテルには、宿泊、婚礼、料飲、営業などの部があります。
その中で婚礼部は通常「婚礼セールス部門」と「宴会サービス部門」の二つに部門が分かれています。

「婚礼セールス部門」の中で一番偉いのが「婚礼部長」
そして次は「次長」か「マネージャー」もしくは「婚礼支配人」と役職が続きます。

支配人や 副支配人が何人も存在しているということも珍しくありません。

知っ得ポイントリスト
  • 支配人や副支配人は複数存在することも

役職を持つスタッフが複数存在する理由

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

ウエディングは「クレーム産業」 と言われています。
婚礼セールスのスタッフは日々雑務に追われ、大変忙しいが、管理職ともなるとさらに激務が加わる。
婚礼では式の当日にも、それまでの準備にも、終わった後にも、数々のクレームが発生してしまうのが現状なのだ。

この際に「支配人」もしくは「副支配人」の名刺を持った人間が、お客様の元へ謝りに行くと、一般のお客様は「偉い人が来た。
こんな偉い人が謝りに来るのなら許してあげよう。」
と思いますよね。

もちろんこれだけが理由ではありませんが、こうした理由からも「支配人」などの肩書をもつ人が多く存在するのです。

知っ得ポイントリスト
  • ウェディングは相当激しいクレーム産業である
  • 支配人の肩書をもつスタッフがクレームのお詫びに行くと、お客様が納得しやすい

支配人やマネージャーという役職をもつスタッフの苦労

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

もう一つ、人事的な話をしましょう。
従業員に「支配人」や「副支配人」といった肩書きをつけ、少し給料を上げておくと、管理職なので、追加で残業代を付けずに済みます。

したがってホテルのオーナー側は助かる、という利点もあるわけです。

中には役職は管理職に見えてもその実給料はヒラと変わらず、仕事はキツイのに残業つかず、
責任だけが重いとぼやく人もいます。その通りであればこれほど悲しいことはありません。

肩書だけ付けられ、給料は安い。その一方でクレームの対処をしなければならない。

そのように理不尽なことは、ウェディング業界だけでなく、どこでもあるのかもしれませんね。

知っ得ポイントリスト
  • スタッフに管理職の肩書がつくと、残業をしても残業代は支払われない
  • 管理職は場合によっては大変理不尽な環境とも言える

宴会サービス部門のスタッフに求められること

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

当日の進行を司る「宴会サービス」はいわば 「ディレクター」のような役割を担っています。

宴会サービススタッフの仕事として、式の中で最も大切なことは「タイムキーピング」

すなわち時間通りに式が始り、進行に合わせてテンポよく料理が運ばれ、下げられ、それに合わせた飲み物が供され、時間通りに終わること。
こればかりはお客様の食べる速度や、スピーチ・余興の長さにも左右されるので、思った通りには行かない。
時には慣れない衣裳を着た新婦の気分が悪くなって、パーティが伸びることもある。

知っ得ポイントリスト
  • 宴会サービスは式の時間を管理し、当日の進行を裏側から支えている

披露宴会場のセットアップを指揮する「キャプテン」

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

ホテルだと同じ会場で1日に2、3組の披露宴があることは普通です。

前の披露宴が長引けば、30分という短い時間で片付けて次のパーティーのセッアップを行わないといけません。

この準備段階から全てを指揮するのが 「キャプテン」 と呼ばれる宴会サービスのチーフです。

「キャプテン」は名前はカッコイイですが、大変な責任を負います。
役職の上の人以外は事務所にデスクを持たない場合が多く、パソコンもあまり使いません。
あくまで現場主義。
大きなパーティも自分の号令一つで動かしてゆくというプレッシャーに負けないような、気性の荒い人が多いと言われます。
いや、仕事柄気性が荒くなってしまうのかもしれません。

知っ得ポイントリスト
  • ホテルでは一日に同会場で2、3組の披露宴を執り行う
  • 披露宴会場の設営と進行は「キャプテン」が仕切る

会場準備の裏側とは

華やかな影にも苦労あり。婚礼部門の裏事情とは

実際に会場の撤去やセットアップの作業を「どんでん」と呼びます。
どんでんをするのは、「配膳会」と呼ばれる派遣会社からやってくるアルバイトスタッフ。
ほとんどが寄せ集めメンバーです。
中には右も左もわからない新人も来ます。

キャプテンは、何があっても時間内に全てを終わらせなければいけません。
会場では往々にして怒号が飛び交い、スタッフは時間を奪い合うようにして準備を進めてるのです。
一昔前までは、アルバイトたちがキャプテンやサブキャプテンに怒鳴られ、殴られ、蹴られ、ということもありました。

「宴会サービス」という部署は 究極の体育会系で、ある意味そうでないと披露宴と披露宴の限られた短時間でセットアップできないのかもしれませんね。

こうして結婚するカップルは、婚礼セールスのプランナーから宴会サービスのキャプテンへと引き継がれて当日のイベントを無事に終えるのです。

知っ得ポイントリスト
  • 会場の撤去と設営は派遣のアルバイトスタッフが行う
  • 「宴会サービス」とは究極の体育会系マインドをもった集団である場合が多い
知っ得ポイント
式場の婚礼部には、予約から当日までの打ち合わせをする「婚礼セールス」と、当日の進行を司る「宴会サービス」の2つの部門がある。
婚礼セールスでは雑務が多い上に、様々なクレームに対応するので、特に管理職は大変である。
式場側はクレーム対応を視野に入れて、支配人役職を与えることもある。
当日大変なのは宴会サービスの責任者であるキャプテン。
全てを無事、時間内に終わらせるため、大変なプレッシャーがあり、つい気も荒くなる。
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