ホテルウェディングで後悔しないために気を付けておきたいこと
元ウェディングマネージャー TAKUYA
2019.03.02

この記事はホテルで式を挙げたいと考えている人向けに書かれています。
後悔のない式になるようにしっかり準備をしてくださいね。
目次
ブライダル事業で収益を上げる日本のホテル

日本では、いまだに人気の高い「ホテルウェディング」
ウェディング会場の候補としては欠かせないホテルですが、ホテルの目的はというと皆さんご存知のように「宿泊」であり
ブライダル事業でこんなにも巨額の収益を売り上げているのは日本のホテルだけ のようです。
だから外資系ホテルなどで、海外から総支配人が転任して来た時に、婚礼部の売り上げをみて驚くと言います。
そもそも海外のホテルはウエディングといっても料理と飲み物を提供する程度で
日本のように衣裳やお花や写真などを全部自社の商品としてパッケージにするというビジネスはしません。
規模の大きなホテルになればなるほど、式場や宴会場の数も多く、1日に多くの式や披露宴が行われています。
式場(神殿やチャペル)の数は限られていますが、挙式そのものは20分もあれば終わるので、1日に10本以上のセレモニーを行うことが可能です。
あとは宴会場がいくつあるかによって、1日に何本の婚礼を扱えるかが決まります。
- 婚礼部門の売り上げが高額なのは日本のホテルくらい?
- 規模の大きなホテルになればなるほど、一日に多くの式が執り行われる
ホテル婚礼部門の役割分担 セールスからプランナーへ

ホテルでウェディングを取り仕切るのが婚礼部門ですが、「セールス部門」と「サービス部門」 の2つに分かれます。
セールススタッフは、新郎新婦に結婚式の申込をしてもらう新規セールスチームと
新郎新婦が申し込んだ結婚式の打ち合わせをするプランナーチームの2つに分かれます。
この2つの業務を同じチームで行なっている場合もあります。
そして、結婚式を行う契約がなされると、プランナーチームに引き継がれます。
ここで一つ気をつけるのは、「この人なら」と思って契約した相手が当日まで面倒を見てくれるのではない、ということです。
(ホテルによっては一貫して同じ人の場合もあります)
だから契約の際に約束したことは初回打ち合わせで確認をしましょう。
ここで遠慮していると後々のトラブルになり兼ねません。
プランナーは、結婚式当日までお二人の希望を聞きながら、必要な商品を揃えてゆきます。
実際に打ち合わせをするのは必ずしもプランナーではなく
衣裳屋、花屋、写真屋、映像会社、美容室、音楽会社、司会会社、印刷屋などのスタッフだったり、選びだけならプランナーがカタログを見せたりします。
プランナーがすることは会場のテーブルレイアウト図を作成したり、BGMを決めるためのリストを渡したり、2人に合いそうな司会者を選んで発注したりと、多岐に渡ります。
- 婚礼部門は「新規セールス」と「プランナー」に分かれ、契約後は別の人が担当するので、注意が必要
- 「この人なら」と思って決めてもそのスタッフが担当とならないことも多々ある
当日は宴会サービスが全てを引き継いで仕切る。時間との戦い

さて、いよいよウェディング当日がやって来ました。
ホテルの場合、100%ここでまた人が代わります。
宴会サービスという進行を司る部署の一番偉い人「キャプテン」が当日を仕切るのです。
プランナーは土日は他のカップルとの打ち合わせや対応に追われているからです。
それから、細かい事項を集めて1枚の請書にまとめ、各方面に連絡する、という「事務的な」仕事をしているプランナーが当日現場で厨房に指示をしたり、会場のセッティングをしたりするのは少し無理があります。
宴会サービスのキャプテンは、当日の朝溢れる笑顔でひざまづくようにして「全て私にお任せください」と挨拶します。
それはもう熟練のこのかたにお任せするのが一番です。
キャプテンは、時計とにらめっこをしながら、1品1品の料理を出し、お皿を引くタイミングを指示してゆきます。
基本的に全てのお客様が食べ終わらないと、次の料理を出せないのです。
- ウェディングの当日は「キャプテン」が会場を仕切る
プランナーとキャプテンのコミュニケーションが上手くゆかなかったら・・・

どのキャプテンが担当するかは比較的にギリギリに決まります。
プランナーはこれまでの履歴が全て書き込まれた請書をキャプテンに引き継ぎ、当日を託します。
でもこの請書という書類が、蟻のように細かい字でびっしり書かれており、ミスが起きやすいのです。
あとでクレームにならないように、請書には全てのやりとりの記録が書かれています。
例えば、お料理なら
申し込み時は12,000円のコース
試食会に両家両親と一緒に来られて、試食の結果14,000円コースに変更
翌日に新郎から電話があって、やはり15,000円に変更
その翌日新婦が来られて16,000円のにするからドリンクは今のコースでシャンパンだけサービスして欲しいと。
翌月ブライダルフェアにお二人が来られ、やはり15,000円でデザートだけランクアップして15,500で落ち着く。
と言ったようなことが全て日付と共に記録されているのです。
しかも手書きで・・・・
全てのジャンルに関してこのようなことが書かれているため、見逃すこともあります。
例えば
提供されるビールは全てK社のものにして欲しい、とか
新郎のおばあさんは車椅子だが、車椅子は折りたたんでパテーションの裏に隠して欲しい、とか
パッケージプランに入っていたウエルカムボードは使わないで持ち込むので、それを飾って欲しい、とか
これらはどれも当日キャプテンが会場設営や料理提供の時に知っておかなければならないことですが
うっかり伝わらない、ということがあります。
往往にしてあるのは、言った言わないのプランナー対キャプテンの揉め事です。
宴会サービスはパソコンやメールをあまり使わず、口頭で打ち合わせをしますので、請書に書いていないことは証拠がないのです。
とは言え、些細なことも二人にとっては大切で、それだけで気分が暗くなることもあります。
ホテル側も、そんなことにならないように、たとえ話が食い違っても上手く辻褄を合わせるように努力はするのですが、時には手遅れ、ということもあります。
例えば、挙式で新郎新婦が入場する寸前になって新婦さんが
「あれ?リングボーイを用意してって言いましたよね?」と。
新婦さんは実は「親戚に小さな子供がいないのでリングボーイ役をお願いするかも」
とプランナーに言ったのですが、プランナーがそれを最終確認せず、準備していなかった。
これはモノではないので流石に手遅れです。
しかもプランナーがその場にいなくて他の打ち合わせ中だったので、ことの真偽が分かるまで時間がかかった・・・・
こんな話は実際血が凍りますねえ。
だから要望事項は必ずメールやFAXなどで証拠を残し、プランナーが最終見直しできるようにしておきましょう。
また「あれ?なんか違う」と思ったら、遠慮せずすぐに口にすることです。
結婚式当日、新郎新婦は早くから現場に入っているので、早く気がつけば間に合うことも多いのです。
人間がすることですから、あってはならないのですが、ミスは起こり得ます。
まして新規セールスからプランナー、キャプテンと引き継がれてゆくうちに、小さなニュアンスが変わってしまうことはよくあるのです。
そこはわかった上でしっかり手を打ちましょう。
「言ったはず」「なんかニュアンス伝わってない」ということにならないように、しっかり文章で残し、早めの確認をしましょう。