#ウェディングスタイル(マル2婚・おめでた婚・パパママ婚など)

ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

元ウェディングマネージャー TAKUYA

元ウェディングマネージャー TAKUYA

ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

最近多い「ナシ婚」なぜなのか?
そしてそれで本当にいいのか?

ナシ婚の現状に驚き!

ウェディング業界にいて危機感を覚えるのは「結婚式は無くていい」と考える「ナシ婚層」が増えているという事実です。

あなたの周りにもいませんか?
結婚はしたけど式も披露宴もしていないという人。
それぞれの事情や、考え方があってのことなのでしょうが、私は「ナシ婚層」というものは全体の1割以下だと思っていました。
ところが、なんと全体の4割程度の人が一切何もしていない というのです。

それに加えて「挙式だけしかしていない」や「披露宴だけしかしていない」層を加えると、挙式・披露宴の両方を行ったのはなんと57%に過ぎないというのです。

どうりで仕事が減っていると思ったぜ、なんて言ってる場合ではない・・・。

ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

その「ナシ婚層」にも、結婚式をしないなりの言い分があるのです。
その一番の理由が
「式の予算を概算してみると挙式・披露宴にかかる費用が高そうなので踏み切れない」
「実際に見積もってみたら、費用が高かったので辞めた」
「結婚資金がなかった」と、「なし婚派」の理由1位から3位は全て費用の問題。
結婚式・披露宴にかかる費用というのは、ゼクシー結婚トレンド調査2016によると、一組平均359.7万円、平均招待人数が71.6人なので1人あたり6.2万円かかることになっています。

婚礼の平均年齢である30歳の平均的な年収は400万程度なので、年収に近い額が一晩で消えて行くというわけです。
これだけかかると言われると、普通の若い人はやる気を無くしますよね?


ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

費用がかかりすぎる今のウエディング

確かに、自分自身のウェディングを振り返ってみると、嫁のいう通りに準備を進め、気がつけば300万くらいの見積もりを見てズシーンと重たくなりながらも、まあ、そんなものだと自分に言い聞かせました。
似合わないタキシードなど着たくもなかったし、ケーキの前で3分以上も微笑み続けるのも苦行。
悪友には飲まされ、学生時代の悪行を暴露され、まるでヨシモトの芸人か、と思うほど「やられっぱなし」でクタクタでした。
私としてはやらないで済ませられるものならありがたかった(奥さんには内緒)。

ナシ婚層の「結婚式をしない理由」は何も金銭的な問題だけではありません。
そもそも、ウェディングのような、「セレモニー的なことが嫌だった」そして「他のことにお金を使いたい」「おめでた婚のため結婚式を控えたい」「家庭の事情」と続くのです。
その気持ちも良くわかります。

ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

ただ、私の時代には、「セレモニー的なことが嫌」などと言える選択肢はありませんでした。
嫁のいいなりでセレモニー的なことを行ってゆくことが「男の務め」と「甲斐性の証」だったような気がします。
だって、当時の女性達にとって、それは憧れだったのですから。
そしてこんな若造に嫁さんとの結婚を認めてくださった嫁の両親や、私自身の両親も、喜んでくれたからいいか、と思ったわけです。
当時は結婚式は完全に「ハレの日」でした。

今は若い人も年寄りも、色々な楽しみが増え、華やかな会場で注目されることだけが「ハレ」ではなくなりました。
むしろ一部の人にとっては「まだそんなことにお金使って、嬉しい?」と感じられるようになってしまったのです。

時代とともに何が素敵かと感じるかは変わってゆきます。
長らく続いてきた結婚式文化も、変わる時がきているのでしょう。

ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

やって良かった、の声もある。

一方で「ナシ婚の予定だったけど、結局結婚式をやりました!」という人たちも一定数存在し
そうした カップルの感想は85%という大多数が「式をやってよかった」。と述べている。
理由としては「親が喜んだ」「嫁が喜んだ」「記念、思い出になった」「各方面に挨拶ができた」「けじめがついた」など。

この結果をみると、自分が結婚式を挙げたことは無駄ではなかったと少しホッとします。
そう、結婚式を挙げたからこそ、味わえる喜びというものが存在するのも確かなのです。
(それに、やっていなかったら、一生嫁に頭が上がらないし・・・)

ではどんなウエディングなら今の若い人にも納得してもらえるのでしょう?

○○婚は今の若者に合うのか?

ネット上にはファストフードならぬファスト婚と呼ばれる「格安ウエディング」もたくさん出回っている。
要は「格安でお得なウエディングパッケージ」のことだ。有名なのは「ス〇婚」「楽婚」「〇ロ婚」など。

どのサイトも言ってることは似ていて同じで、「①貯金が無くても安くできますよ」「②しかも後払いでいいですよ(普通は結婚式費用は全て前払いが原則)」といったところ。
それに持ち込み無料とか、専任のウエディングプランナーが着くとか、カップルを誘うようなうたい文句が入っている場合が多い。
具体的にサンプル金額も提示されている。
これらを見て共通して思うことは、 「良さげだけど、結局、最終何がいくらかかるのかが不透明」ということ。
だから新郎新婦は「一度話を聞きに行ってみよう」となるのだ。
    
実はこの「行ってみよう」という気持ちにさせるのが、ウエディング業界側の最初の目的。
足を運んで担当者から話を聞くと、日程の制約があったり、パッケージ内容がショボかったり、とにかく会場に見学に行くことを強く勧められたりするのは当たり前。
ウェブにあったパッケージだけではショボすぎるから、オプションとしてちょっとずつ足して行くと、最終的にあまり安くないなあ・・・となるが
最後は「まあ、こんなものかな」で落ち着く。
入り口は「ファスト婚」かもしれないが、よく考えると普通の式場相談にゆくのと変わらないじゃないか。

ナシ婚なんてナシ!でしょ!?

施設側は集客に困っているから、ファスト婚がお客様をまわしてくれるのはありがたいのだが、本来式場が売りたいウエディングとは全く違うことが多い。
ファスト婚側が手数料を取れるように計算してあるので、当然式場の利益率も低いし、コストを落とすため、全体にクオリティが低く感じられます。
何より、お客様に「ここのホテルってこんなレベルか」と重わっるのが辛い、と言うホテルマネージャーもいる。

料金はリーズナブルで、しかも内容を素敵にするためには、今まで業界でまかり通っていた手数料の利率を思い切って下げるしか方法がないと思う。
どうすればそこを下げられるのか。。。。
ここを解決した新しい○○婚が出てくれば、ウエディング業界の生命も少しは長くなるのではないかと、密かに思う今日この頃だ。

ナシ婚なんてナシにできる世の中にしたいなあ。

知っ得ポイント
ナシ婚の理由はお金とライフスタイルに合わない、の2つに分けられる。
どちらも若者にとっては真剣な問題で、しかも若者がそのことを隠さずに口にするようにできる時代になったので、ナシ婚層が姿を現してきたのだろう。
昔ながらの婚礼を名前だけ変えて押し付けるやり方ではなく、若者に受け入れられるスタイルを見つけることが、業界の急務であると感じる。
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