ウェディング業界が儲かる仕組みを知って自分の婚礼費を考えよう!
元ウェディングマネージャー TAKUYA
2019.03.16

ホテルやゲストハウスはウエディングでどれくらい儲けているのだろう?
あまり知られていない事実をズバリ解説。
収益構造を知れば、いかに多くの手数料が支払われているのかがわかる
ホテルを例にとって、婚礼でどれくらい儲かるのかという「収益構造」に関して考えてみよう。
ホテルウエディングで、ホテルの自前商品は会場と料理、ドリンクのみで、あとは全て契約テナントの商品だ。
衣裳、花、写真、映像、美容、印刷、引き出物、司会、音楽などのテナントは、販売するごとにホテルに30-50%の手数料を支払うことになっている。
平均的なカップルの結婚費用というのは、354.8万円だといわれている。
結婚トレンド調査
http://bridal-souken.net/research_news/trend.html

これに平均的な各部門の費用を合わせて考えると、354.8万円のうちホテルが自前で提供しているのは、料理と飲み物の122.6万円のみ。
飲食の原価率を35%とするとホテルは料理と飲み物で79.7万円の利益を儲けている。
残り232.2万は各テナントの商いで、その販売手数料が平均30%掛かっているとすると232.2×0.3で69.7万円の利益。
合計すると1組で162.5万円利益が上がるということだ。
ホテルがテナントに外注した分の232.2万円については、衣裳屋や写真屋に「直接」頼むことができれば、69.7万円分の手数料が節約できるのだ。
テナントだって自社の利益を見込んで価格を決めているので、例えばカメラマンを知ってて、直接頼めばその分、30%から40%手数料を省けるというわけだ。
ということは、残りの162.5万円のうち2/3である108.3 万円×35%で計算すると、37.9万円の節約。
カップルが物理的に可能なものを全て持ち込んだら69.7+37.9=107.6万円の節約になる!
なんと354.8万円の婚礼は247万円で出来ることになるのだ。
100万円近くの節約になる。
このように書いてしまうと、ホテルが100万円近くの利益を余分に取っているように思われるかもしれないが、ホテル側にも言い分はある。
ホテルは豪華で巨大な建物を建てるために高額な初期投資がなされているのだ。
例えば年間300組の婚礼を売り上げて、149.4×300=4億4千万以上の粗利益 を出したとしても、それを賄うスタッフの人件費や会場メンテナンス、ゼクシィをはじめとする広告宣伝費などを払ってゆくと、ホテル側に資金は残らないのだ。
その上、毎年どこかしら施設のメンテナンスに巨額の費用が出てゆきながら何十億の初期投資を返していく。
それから ホテルの手数料なんてまだまだ可愛いものである。
ゲストハウスの場合、販売手数料は50%と設定されているのだから。
同じ価格の婚礼ならホテルとゲストハウスではゲストの方が値打ちはかなり低い。
同じ8万円の司会者を頼んでも、ホテルなら5.6万円の価値がある人が来るのだが、ゲストハウスなら4万円の人材ということになる。
そして、司会会社が手数料を取ってるから、本人の価値というものはその半分というわけだ。
ゲストハウスは、ホテルの弱みを研究し尽くしてできているので、安普請と言われても初期投資を押さえ、販売手数料を引き上げたのは当然の戦略とも言えるのである。
まとめ

ウェディング業界には、一般には知られないようないくつもの「裏の事情」が存在している。
結婚式を考えている新郎新婦が実際に施設やホテルに出向き、プランナーから見積もりをとっても、提示される金額の詳細は不透明なまま。
自分達の予算内で婚礼費用を管理し
「どこに費用が掛かっており」
「どの業者にどれだけの金額が流れているのか」
「本当に必要なものだけに結婚資金を支払う」ことが出来たらどれほど良いことだろう。
こころの片隅にある「高額挙式費に対する不信感や疑問」も、もしかしたら解決出来るかもしれない。
今は何でもネットを通してダイレクトに買える時代。
この手数料がなくなれば消費者は楽になるが、さりとてそれでは式場が成り立たない。。。。
これがウエディング業界の今後の大きな課題と言える。