ブライダルのテナントが負担する協賛金の裏話
現役ブライダル企業 部長 CHIKARA
2018.06.29

式場と契約している婚礼のテナントにはどんな負担があるのだろう?
そんな謎を現役ブライダル企業の部長がお話しします。
何かと協賛の多いテナントの辛さ
チケット協賛というもの
別のブログで式場と契約しているテナントはブライダルフェアの度に現金の協賛や現物協賛をしていると言うお話をしました。
ブライダルフェア以外でテナントが施設側に支払う協賛の形があります。
ブライダルとは全く関係なく、ホテルなどが主催するイベントのチケットを買うことです。
分かりやすいのがディナーショー。
例えば、数万円するような、夏と冬のディナーショーの招待券や、ホテルのレストランでいつでも利用できるチケットなどを定価で買います。
「他社さんもみんなお買い上げいただいてます」と言うご案内も受けたりします。
最近は下請法などが問題になり、強制はかなり減りましたが
テナントはシーズンになるとディナーショーに出かけてばかりでした。
ディナーショーにかっちりとビジネススーツを着た若い人が座っていたら、それは間違いなくテナントです。
テナント関係の人が全部退いたら、半分以上空席になっていたでしょうね。
他にお金のかかるものに「業者会」という仕組みがあります。
「業社会」とは一般的には馴染みのないもので、これはその施設で仕事をもらっている各々のパートナー会社で作る会です。
衣裳や花、照明など、その施設で式が行われる度に商品を納入している各種の会社が集まっているというイメージですね。
そして、「業社会」では強力なパートナー会社の社長が「業社会」の役員として選ばれることが多いです。
「業社会」という名前だけを聞くと、パートナー企業がたくさん集まって販売の勉強をしたり、施設側と交渉をしたりする機会があるのかと思いますが、そういうのは全然ありません。
唯一のゴルフ会などは、パートナー会社とクライアントスタッフの コミュニケーションが取れる良いチャンスですが、この場合も役員に選ばれるような有力企業の社長が、ホテルの総支配人や部長と同じ組で回るのです。
あとは年何回か開かれる懇親会。
これは式場の売り上げ協力の宴会です。
業者会では年会費が取られ、懇親会費用は別に集められます。
中には懇親会費を年会費で賄ってしまうところや、良心的な金額を提示してくるところもありますが
ビュッフェスタイルで1人20,000円、最低2名でご参加下さい、というところもあります。
式場によっては、毎月1回食事会に参加を強いられるところもあります。
協賛は売り上げや利益に見合うものでなければならない
ウエディング業界はあまり景気が良くありません。
結婚する人が減っているのに、新しい施設が増えているので、少ないパイを奪い合う形になっているのです。
景気がよかったころは、テナント会社もそれなりの利益をあげることができたため、少々の協賛は仕方がないな、という風潮がありました。
しかし年々売り上げが落ちているのに、協賛は変わりません。
負担に比べてこの利益は妥当だろうか、とみんなが思いながら、それでもビジネスを続けています。
ビジネスの世界は厳しいですね。