一軒家を貸切る贅沢を。ゲストハウスウェディングの裏話
元ゲストハウススタッフ YUKI
2019.03.02

ゲストハウスとホテルのウエディング、一体どこが違うの?と思っている方に、元ゲストハウススタッフが詳しく解説します。
目次
ゲストハウスウェディングのいいところは?

結婚式と言えば、候補に挙がる一つが ゲストハウス
ホテルの様に宿泊施設は持ちませんが、一軒家を貸切って式を挙げるスタイルで、その中にはハリウッドセレブのような大邸宅を貸し切りに出来るなど、趣向を凝らしたオリジナルウエディングを挙げることも出来ます。
同じ建物内で行われる式も1日に1件から2件と、ホテルに比べるとかなり少ない為時間配分にゆとりを持てる ことが特徴です。
ただし最近は利益重視で1日に何本も挙式を行うゲストハウスがあり、こうなってくるとホテルと同じですね。
- ゲストハウスウェディングでは大豪邸を貸切るようなパーティーが出来る
- 式数が少ない為に、時間配分にゆとりを持てる
ゲストハウスは結婚式場の弱みを改善して出現した

ゲストハウスが出現したのは1990年代です。
ゲストハウスは、ホテルや総合結婚式場の弱みを研究し尽くして生まれた と言えるでしょう。
当時ホテルウェディングでは式の予約をする担当、プランを組む担当、当日の式を行う担当が全て異なってしまう のが普通でした。
そのため連絡ミスが起きたり、ニュアンスが伝わらなかったりする問題がよく起きていました。
ゲストハウスウェディングでは、式の予約受付から当日の式の施行(式を執り行うところ)まで一貫したスタッフが取り仕切る仕組みを作り出しているところが特徴的です。
- ホテルウェディングの問題点を解決するべくしてゲストハウスウェディングが誕生した
- ゲストハウスウェディングでは予約から施工までを一貫したスタッフが対応する
ゲストハウスへ見学に来る人はかなり積極的といえる?

ゲストハウスでは 事前に予約しないと見学出来ない ので、会場側は安心です。
ホテルのように飛び込み接客はありません。
つまり 見学に際してのハードルがかなり高いため、新郎新婦は、ウェディングに積極的で、前向きに検討する会場でないと見学には来ません。
こうなると接客はしやすいですね。
予約して訪問したカップルは、待ち構えていたスタッフにがっつりと取り囲まれ、セールスをされるのは当然のことです。
会場の設備に関していうと、デザイン重視で耐久性にはこだわっていないところが多いです。
天井の高いチャペル、真っ白な階段、庭に設えられたプール、暖炉のあるリビングなど、視覚に訴える仕掛けがしてあります。
- 見学に際しては事前の予約が必要
- 見学へのハードルはかなり高く、行けばがっつりとセールスされる。
ゲストハウス御三家とは

ウェディング業界には ゲストハウス御三家というものが存在します。
ゲストハウスに最初に参入したのが1993年のプラン・ドゥ・シー(Plan・Do・See)です。
Plan・Do・Seeの野田社長が起業のきっかけを語った内容がネットに掲載されていました。
「きっかけは、親友の結婚式に出てびっくりしてしまったことなんです。
会場は有名ホテルだったんですが、サービスも料理も本当にひどいものでした。
サービスマンはまるでやる気がない。
僕は幼い頃からホテルに通っていましたから、普段のホテルのランチやディナーと比べると、まず考えられない料理の質であることにすぐに気づいたんですね。
どうしてこんなことになるのか。大手ホテルのセールスマンに話を聞いてわかったのです。
結婚式というのは、ホテルにとってはドル箱。
ものすごく儲かる。
粗利は5割から7割。
それこそ、このビジネスがあるから、ホテルはやっていけるのだというわけです。
宿泊なんて二の次で、結婚式で儲ければいい、と。
しかも、結婚式はリピートビジネスではありません。
何度も結婚式をする人はいないから。
やがてホテルでは、『結婚式はこの程度のサービスでいい』という認識が当たり前になっていったのではないか、と思いました。」こころざしストーリーズ
http://www.prdx.co.jp/story/stories_vol01.html#
- 結婚式はリピートしてもらう必要が無いので「この程度で良い」という考えが蔓延してしまっている
ゲストハウスが受け入れられた背景は

その後、野田社長は自力でゲストハウスを準備し、それが成功を収めたことで、テイクアンドギブニーズ、ベストブライダルなどの後続の企業が次々と現れたのでした。
「今のブライダル、なんか違うんじゃないの?」という思いからゲストハウスが出現した のでした。
結論から言うと彼らの試みは大成功。
その後、ゲストハウスウェディングが多くのカップルに受け入れられていったのでした。
- ゲストハウスウェディングが登場して以降、徐々に受け入れられていった
ゲストハウスの抱える弱みとは

一方でゲストハウスには弱みも存在します。
その弱みはズバリ「人」 。
ゲストハウスには十分な数の正社員、いわゆるウェディングの実務経験のあるプロは十分におらず、各施設に一人くらいだそうです。
あとは全てアルバイト。人件費などのコストを落とすためです。
だから 格式を重視するご両親の年代にとっては、行き届かないことが多いと聞きます。
ゲストハウスを選ぶときは、事前にご両親とよく話し合っておくことが必要かもしれませんね。
また衣裳や花、写真などのアイテムにかける手数料もゲストハウスでは50%が常識。
ということは50,000円で仕入れられたものが100,000円で販売されるということになる。
なので、結果的にはホテルより高くなることもしばしばです。
ブライダルではあまり儲からない、というホテルウエディングの弱みを研究して作られたものだから、利益率を上げているのは当然といえば当然なのですが。
- ゲストハウスでは施設に実務経験者が少ないという弱みも存在する
- ホテルウェディングなどの格式を重視する世代には受け入れられないことも
- ゲストハウスの販売手数料は平均50% 仕入れの倍額で販売される。
邸宅を貸切感覚で時間、空間を贅沢に使え、おしゃれな雰囲気を味わえるのが強み。
弱みはホテルに比べるとサービスの質が劣ると言われ、販売手数料が高いため予算も結局ホテルより高い場合が多い。
ゲストハウスに見学に行くときは、絞り込んでから予約をしないと、しっかりとセールスされるので断り難い。